「Lorenzo Villoresi」の香り
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フィレンツェの調香師 Lorenzo Villoresiのポプリオイル「Rose」。
薔薇の花弁のポプリに数滴垂らして使います。

今年の春、先日の「スパイスケーキ」の彼女=NAOが私に送ってくれたものです。
その頃いろいろあって疲れていた私は、彼女の気遣いとこの薔薇の香りにとても癒されました。

1つ前の記事。頂いたコメントと自分の書いたものを改めて読んで、ちょっと気恥ずかしくなったので言い訳をしたくなりまいた。





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5年前、修士論文に行き詰まっていた私は精神的にかなり追いつめられておりました。
周囲からは「修論なんて出せばいいんだよ、出せば。勝負はそこからだ」と散々言われましたが、提出期限が迫っても指導教授と結論で折り合いがついていないし、結論もうまくまとめられていない。
出したとしても、その後の報告会を上手く乗り切る自信が無い・・・
そんな状況で思いついたのが、「留年」。
「論文を出さなければ留年できる・・・」
逃げだというのは100%承知で、でもそのことに誘惑されていました。


「出すべきか、出さざるべきか」と悩みつつ迎えた提出日前夜。
NAOから「もし参考文献リストの作成がまだなら手伝いますから送ってください」と電話が来ました。
彼女は既に論文を仕上げており、「私はもう手が空いているので手伝いますよ」と言うのです。
最初は躊躇していましたが、まだ結論の章まで達していなかった私はNAOの言葉に甘えることにしました。
真夜中、100を超える参考文献のリスト作成を、携帯電話でやり取りしながら彼女に手伝ってもらい完成させました。

夜が明けて、結論をとりあえずまとめて印字に入ったら、、、

「遅っ!!」

普段研究室のレーザープリンターに使いなれていたので、インクジェットの印字速度が恐ろしく遅く感じられました。
「NAOが睡眠時間を削って手伝ってくれたのに、印刷が間に合わなくて出せなかったなんて絶対に言いたくない!」
この時、そう強く思った私は、昼前に印刷出来た300枚の束を抱えて神楽坂の製本所に駆け込み、最寄駅からはタクシーを飛ばして大学に向かいました。
提出までの数時間、「留年」の二文字はどこかにすっ飛んでいました。

提出後、放心状態でボーっとしながら、

「NAOが手伝ってくれたから提出出来た。NAOが私のために使ってくれた時間を無駄にしちゃいけない、っていう一心で出した」

と言った私に

「私が手伝えば、rukiさんはそう思って提出すると思ったからやったんです」

と返した彼女。


・・・一瞬、絶句。

「マジ!?」

「はい。だってrukiさん、本当に出さずに留年しそうだったから。でも出さなかったから留年したってことは絶対にして欲しくなかったんです。だから手伝いました」

あの時の、彼女のニヤッと笑った顔は一生忘れられません。
「やられた!」という思いと同時に、そこまで私のことを考えてくれていた彼女の気持ちが嬉しくて涙が出ました。
今でもこのことを思い出すと鼻の奥がツンとします。

提出後は報告会と口頭試問と言う二つの山を徹夜で乗り越え、気づいたら嵐が去って私の修士修了が決まりました。
NAOが与えてくれた修了するかしないかという選択肢、私は修了して就職する道を選択しました。
だから今の自分があるのは、彼女のお陰だと思っています。

そんな恩ある彼女の一大事でしたので、頑張ったわけです。
一回り年下の彼女ですが、私よりも何倍も人間出来ています。
もー、私はただ年取ってるだけ・・・(汗)

それと、前回あんな記事を書いたのは、大切な人をどんなに救いたいと思っていても、結局は見守ることしか出来ないなぁ、ということも言いたかったのです。
自分の行く道を決めるのは自分でしかないから。
ただそんな時は、どんな道を決めても私はあなたが大好きだし受け止めるよ、と伝えたい。
前回の記事では上手く書けなかったので、補足です・・・


長ーい言い訳、最後まで読んでくださってありがとうございました。
グラスに入れた薔薇のポプリ、PC横に置いて香りを楽しんでいます。
by ruki_fevrier | 2010-11-12 00:34 | 日々 | Trackback | Comments(4)
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Commented by masoraly at 2010-11-14 13:10
rukiさん、こんにちは。
修士論文が大変だったってよくおっしゃってますが、
こんなにギリギリだったのですねー。
まるで、なんでもギリギリの自分を見てるようです…笑
私は卒制ですが、提出前夜は泣きながら徹夜しました。

それにしても、NAOさん、すばらしいですね。
これは一生頭が上がらないかも…。
で、やっぱり私も同じような経験があります。
開き直って留年覚悟したことがあるのですが、友人に助けられたんです。
ブログに書くには、ちょっと勇気が必要ですねー。
いつもrukiさんは、しっかり書かれるからすごいなーって思います。
Commented by ruki_fevrier at 2010-11-14 17:55
masoralyさん

わはは、そーなんです。提出の朝までドタバタ。
誤字脱字オンパレード、図表の番号は飛んでるし・・・
もうどうしようも無いですね。(^^;

NAOは本当にすごいです。はい、一生頭があがりません。
でも、辛い時は少し自分を見失いますよね。
そういう時に少しでも支えになれて良かったと思います。
いつも助けられてばかりなので!(笑)

いえいえ、もー自分は馬鹿だって宣言してるようなもんですよね~。
ま、でもこれも私だし。
masoralyさんが留年覚悟ってどんな状況でしょう!?
なんでもそつなくこなしそうなのに~。
Commented by boosuka1220 at 2010-11-14 22:40
rukiさん こんばんは〜。

自分が疲れていようがなんだろうが置いておいて、
相手の為に尽くすって、簡単に出来る事じゃない。
rukiさん、NAOさんの関係をとても羨ましく思います。

rukiさんにやる気を出させたNAOさんの作戦、お見事!
全てが終わった後に、こんな手の内聞いたら泣けちゃうよな〜。
そして、ほっと出来る環境を用意してNAOさんと一緒に居たrukiさん。
NAOさん、優しい時間が過ごせたのでは。
私は友人に恩返しとか全然出来てないなあ、
など、ちょい反省です。。ははは。

しかし修士論文って全何ページ??A4ですよね??恐ろしい〜。
Commented by ruki_fevrier at 2010-11-15 22:59
ブースカさん

こんばんは~。
いくら自分の論文が終わってるからって、夜中寝ないで人の
論文を手伝うなんて、普通できないよね。
しかも同じ研究科とはいえ全然分野が違うので、リストを作成
するのは大変だったと思うの。
彼女と一緒に院生生活が送れて本当に良かったと思います。

恩返し、感謝する気持ちがあれば形にならなくてもいいと思いますよ。
その気持ちがいざという時に出るのだから。

ははは、書き方が悪かったですよね。1部100ページ×3部で300ページです。
3部提出だったの・・・保管用と副査用2部。

例の件、返事が遅くなってごめんなさい!
明日には連絡させていただきますね~。


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