世界遺産 一万年の叙事詩 1
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着々と録画したものを消化しています。でもどんどん録画してるから全然残量は増えないんだけども。(^^;
で、備忘録。文字ばっかりなので、興味のない方はどうぞすっ飛ばしてくださいまし。

GWに見たNHK プレミアム8『世界遺産 一万年の叙事詩』の第1~3集。
人類が地上に痕跡を残した先史時代から近代までを世界遺産で辿る番組。

第1集は、「先史時代 文字なき世界の記憶」。BC8000年~3000年の、文字を持たない時代の人類の営みを、壁画や出土品から探る。
先史時代の壁画と言えばすぐに浮かぶのはラスコーですが、それよりも壁画数、描かれている動物の種類でも多いブラジルの世界遺産「カピバラ山地国立公園」が取り上げられていた。
この時代は狩猟・採集の時代のため、描かれているのは狩る対象である動物が圧倒的に多い。
でも中には神のようなものを崇めている図もあり、アニミズムの萌芽も見られる。
人類はアフリカから世界へ散らばり、南米には12000年前に到達したというグレイト・ジャーニー説を覆す可能性のある遺跡も発見されているらしい。
(グレイト・ジャーニー説:『アメリカの起源』B.M.フェイガン

また狩猟・採集から定住へと移行する例として、アイルランドの世界遺産「ボイン渓谷の遺跡群」の中からニューグレンジが紹介された。
墳墓が築かれたことは人がその地に定住していたことを示し、また冬至の朝日が長い廊下を通って部屋の床を照らすことから、暦に関係する施設である可能性が高い。
時間を天体の動きで区切る暦の存在は、農耕が始まったことを示している。



第2集「文明 ~世界は“知”で満たされる~」は、BC3000年~BC1000年に興った文明の実態を遺跡と出土品から辿る。

文明と言えば、四大文明だが、番組では第5の文明と言われるペルーの世界遺産「聖地カラルスーぺ」が取り上げられた。
1/16放送の「古代アンデス“第5の文明”ペルー・カラル遺跡」もあったので、それも見てカラルについてまとめると・・・
スーペ川沿いに位置するカラル遺跡には、BC3000~1800年のピラミッドや住居があり、当時そこに高度な文明が存在していたことを示している。
ピラミッドは大小の石を組み合わせたり、葦を使ったシクラという建築方法を用いるなど耐震性を考えて造られていた。
また、貝も出土しており、数百キロ離れた沿岸の都市(アスペロ遺跡・ベンタロン遺跡)との交易があったことを示している。
しかし、文字は無く、また武器も出土していない。コンドルの骨等を使った笛が多数出土している。
また、チャカーナと言われるアンデスの十字架を象った部屋や宗教的儀式の場である炉が見つかっていることから、遺跡は宗教施設の集合体である可能性が高い。
古いピラミッドの上に新しいものを造ると言う神殿更新が行われた跡がある。

松岡正剛氏は、カラルを文明前期とし、文明後期の四大文明には、聖なるセンターの存在・交易・文字・武器の4つが共通しているとする。
文字の発明によって文章が綴られるようになり、神話や叙事詩、また法律の成立が可能となる。


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第3集「帝国 ~境界をめぐる興亡~」はBC1000~AC500年の歴史を、この時代に興った帝国の内と外という視点を基にひも解く。

人が集住して集落が出来、やがて国を形成し、国が国を支配して帝国が出現する。
帝国の支配領域の内側の例として、シリアの世界遺産「古都ボスラ」、外側の例として中国の「古代高句麗王国の首都と古墳群」が取り上げる。

帝国は、支配領域で尺度を統一。特に貨幣の統一は、それを媒介として全てのもののコントロールを可能とする。
帝国とは、中心で生まれた最先端の技術を版図内に広げる古代のグローバリゼーションだった、と松岡正剛氏。
氏は、古代ローマ帝国はこのグローバリゼーションを一番うまくやった例である、とする。
ローマは優れた土木技術で、円形劇場・公衆浴場・水道橋などを支配地域に造りローマ化した。
ボスラは2世紀にローマの支配下に入り、地元で取れる玄武岩でローマ様式の建築物が造られた。
要塞として使われていたためにほぼ完全な形で残る円形劇場は素晴らしい。
「ここはイタリアです」と言われても信じてしまうくらい、ローマ建築はどこの場所でも本家そのままに造られている。

一方、高句麗は秦帝国に取り込まれることなく700年あまり独立を保つ。
その首都、集安には国内城と篭城用の山城「丸都山城(がんとさんじょう)」がある。
丸都山城は、2つの池と1つの貯水池を持ち、宮殿もあり、数年の篭城に耐えられるようになっていたらしい。
高句麗は石文化の国で、城も墳墓も石で造っている。
高句麗に限らず、帝国の辺境で独立を保った国々は、独自の文化を発展させた。

ローマ帝国は4世紀に東西に分裂、秦の次の統一王朝漢は3世紀に魏によって滅ぼされる。
世界が大きな2つの帝国に支配された時代は終焉し、次のフェーズへと移る。

ただ単に歴史を辿る、というのではなく、松岡正剛氏独自の切り口で語られる歴史観が面白い。
また、取り上げる世界遺産も私は知らないところが多く、「へぇ~」と思うところばかりだった。
ナビゲーターの華恵さんは反応が初々しくて可愛い~。「これを造ればローマだ、というものを持っているのが強い」と時には鋭いことを言うし。

第4集は世界宗教。早く見たい~。でもじっくり見たいので時間がある時に。

*画像、1枚目はオスティア・アンティーカのモザイク。2枚目はローマのコロッセオ。1999年に撮ったもの。
by ruki_fevrier | 2011-05-15 17:17 | 日々 | Trackback | Comments(2)
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Commented by masoraly at 2011-05-17 23:03
rukiさん、こんにちは~。
お体の具合は、どうですか~。大変でしたね。
最近の気候は、体調崩しますよね。暑いんだか寒いんだか。
パソコンを甥にあげたので、違うMacでWinを使ってるのだけど、
Flashがどうしてもダウンロードできなくて、rukiさんのブログも
なかなか読めないままです。
実は、私、過去に1年間だけ、坂本龍一のファンクラブに入ってました~爆爆。
当時、「見えないね~。」ってさぞ驚かれたので、それ以来、ほとんど話したことがないんですけど・・・。
YMO再結成の東京ドームコンサートも観にいきました。
人から回ってきたチケットでしたけど。

松岡氏と華恵さんのこのシリーズ、だいぶ前からですよね。
いつも夜8時台は、キッチンに立ちながら見てるので、よく覚えてなくて。
一気に放送される方が、理解できるでしょうね。
第4集は、わりと最近で、すごいびっくりするシーンがありますよ~。
これは再放送まで見て、釘付けになりました。
Commented by ruki_fevrier at 2011-05-17 23:17
masoralyさん

こんばんは~。風邪、全然よくなりません~。
今日は喉につかえるじゃないか、っていうくらい大きな抗生物質を貰ってきました。(--;

えぇ!ファンクラブですか!確かに、見えなーい!!びっくり。
しかもコンサートまで行ってる・・・すごい。
最近、教授の音楽が心地よくて、また聴いてます。
な~んか落ち着くんですよね。人を癒す音だなぁと思います。

そうそう、このシリーズ、去年の9月くらいからのものですよね。
集中してみないと頭に入らないなぁと思って、時間がある時に一気に見てます。
おぉ、すごいシーンってなんでしょう?すっごく楽しみ!
今週末には見ようと思っています~。


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