ゴヤ 光と影@国立西洋美術館
d0165723_21385411.jpg



こちらも会期終了ギリギリで行った「ゴヤ 光と影」展。
国立西洋美術館で1/29まで開催です。
来週まで、と気付いたのがつい最近で。慌てました。
西美にしろ、東博にしろ、土日の混雑は半端ないので可能な限り行きたくない。
で、金曜の夜間開館を狙って行きました。
天気も悪いから、空いているといいなぁと願いながら。


「光と影」という副題通り、マハに代表されるような宮廷画家としての華やかな絵と、人生後半に作成された版画集「戦争の惨禍」等の人間の暗部を描くような作品、その両方が展示されています。
それはゴヤの一生を知るというより、当時のスペインの歴史を辿るようなものでした。
寵臣政治によって内部から崩壊し、挙句にナポレオンに攻められフランス軍に蹂躙されたスペイン。
それを見つめ続けたゴヤによって描かれる絵は、スペインの歴史そのものでした。
どちらかと言えば、「影」の方が多い展示会かもしれません。
異端審問や政治的腐敗、戦争が始まる前からゴヤは皮肉をこめてそれらを描いていたのですから。











d0165723_22144763.jpg



私の一番のお気に入りは、この「猫の喧嘩」。
多分、タピスリー原画だと思うのですが、もー見た瞬間笑っちゃいました。
ちょっと漫画っぽい。でも背景の描き方と構図で、まるで歴史画って雰囲気の仰々しさ。
お猫様の喧嘩よ~って感じ。(笑)
国芳展と同じ感覚を受けたのですが、そう言えば、国芳もゴヤに負けないくらい世の中を皮肉ってたなぁと。


d0165723_22193097.jpg



マハはもちろん素晴らしく、華やかな肖像画も良かったのですが、やはり心にガツンと来たのは素描と版画でした。
特に「戦争の惨禍」は見ていて辛かった・・・涙を浮かべて見ている若い女性もいました。
戦争の現場はこうなのだろうなぁ、と。描かれてるフランス軍は、ホント、悪魔みたいでした。
兵士ではなく、一般市民の死体が山積みされ、女性が襲われている。
街が戦場になるということはこういうことなのだ、と思い知らされました。

そういえば、昔「宮廷画家ゴヤは見た」という映画があって、異端審問の酷さをあの映画で知りました。
ナタリー・ポートマンが美しい商家の娘を演じていたのですが、豚肉を食べなかったというだけでユダヤ教徒にされ、異端審問にかけられ、数十年後に解放された時には醜く老いた姿で牢獄から現れます。
あれを見た時は、あの時代のスペインに生まれなくて本当に良かったと思ったくらいです。

そんな暗い絵ばかり見て、さすがに心が重くなったところでこの絵「無原罪のお宿り」が展示されていて、少しホッとしました。
「無原罪のお宿り」と言えば私の中ではなんといってもムリーリョですが、ゴヤもこんな素敵な絵を描いていたんですね。
思わず額付きポストカードを買って飾ってます。


常設展の方では「ウィリアム・ブレイク版画展」が開催されていました。
ホントは寒さに負けて行くのを止めようかと思ったのですが、この版画展があると知って行くことにしたのです。
詩人であり版画家でもあるウィリアム・ブレイクの幻想的な版画が見れます。

正味1時間しか鑑賞時間が無く、実はブレイク展を見るためにゴヤ展の最後は見ずに展示室を飛びだしました。
オーディオ・ガイドの全解説を聴かずに出たのは初めてかも。
閉館15分前に常設展に駆け込み、最初のスロープを駆け上がってこの展示室に向かいました。
お陰でこちらは全部見れましたが、会社帰りの上野は遠いと実感。
さすがに1時間しか見れないのはきついなぁ、と思いました。

西美、6月にはベルリンからフェルメールが来るらしいです。
土日はきっとすんごい行列でしょうね。
この時は絶対に平日に有休取って行こうと思います。
by ruki_fevrier | 2012-01-22 22:48 | | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://rukidays.exblog.jp/tb/15312059
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


<< 寒い朝はスープで朝ごはん その2 Darwinara Charm >>