オランダ旅:アムステルダム国立博物館
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入院やらなんやらで中断していたオランダ旅行記、再開します。
っていうか、この記事はホントなら入院前にアップするはずだったのですが、時間が無くて・・・

ゴッホ美術館の後に行った、アムステルダム国立博物館。
この二つは近くにあるので、歩いて行けます。
途中、「I amsterdam」と書かれたモニュメントが。
後ろに見える、お城のような建物が美術館です。
改修中のため、残念ながら今は一部しか見ることができません。

この建物は博物館用に建てられたものとしては最古のものだとか。
19世紀、既に博物館として新たに建築しようと言う考えがあったことに驚きです。









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1階はスペインからの独立後のオランダ黄金期の歴史を示す様々なものが展示されています。
絵画だけでなく、船の模型、貿易で得たアジアの陶器、当時の最高の技術で作られた銀器等など。
中には17世紀の大きなドールハウスもありました。ホントに大きくて、移動式階段に登って中を覗くようになっています。
これは本当にすごかった。
当時、ドールハウス1個が高級住宅と同じ値段・・・とか何とかオーディオ・ガイドで説明がありました。
とにかく贅を尽くした造りになっていて、所謂ドールハウスの概念をぶち壊すものです。
借金してまでドールハウスを作った、とか聞くと、バブルでチューリップの球根1個に高級住宅1軒の値がついたことを思い出し、オランダ人って結構経済観念が・・・?と思ったりして。


そして2階は絵画オンリー。
17世紀、経済力をつけた市民が絵画を買うようになったオランダでは、500万枚の絵画が生みだされたのだそうです。
まさに、絵画黄金期。改修中のため、博物館のコレクションの中からこの17世紀の絵画を中心に展示されています。

オランダと言えば、まずはレンブラント。
何枚あるか分からないくらいありました。日本だったら目玉作品になるものだらけ、って感じでしょうか。
これはレンブラントの風景画「石橋のある風景」(1638)。
オランダに数日滞在して、コロコロ変わる天気がオランダなんだと知ると、この雲の感じにオランダらしさを感じます。
稲妻が中央の木々を照らす一瞬を描いた絵だそうです。
木にも左斜め上からの光をピカーッと当てるレンブラント・・・


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こちらは「ユダヤの花嫁」(1667)。
レンブラント晩年の作品。
モデルは息子のティトゥスとその妻ですが、1668年にティトゥスは急死してしまいます。
サスキアとの間に生まれた子供たちのうち、唯一成人出来た子なのに・・・
レンブラントって結構晩年は不幸の連続なのですよね。
波乱万丈って言葉は彼にぴったり。上がったり下がったり~。

ゴッホはこの絵がとてもお気に入りで、絵の前からなかなか離れなかったとか。
男性の左腕の金色の袖のところとか、かなり厚く絵具が盛ってあって質感がすごいのです。
なんとなく、厚塗り具合がゴッホを連想させたりして・・・
確かに、いくらでも眺めてしまう絵です。


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フェルメールと同時代の画家、ピーテル・デ・ホーホの絵もたくさんありました。
初めてデ・ホーホの絵を知ったのはこの時
彼の絵は数点展示されていて、中でも「中庭にいる女と子供」(1958-60,ワシントン・ナショナル・ギャラリー)がとても印象に残っていました。
フェルメール同様プライベートな空間を描いていて、とある家庭の一コマを覗き見ているような感じがするのです。

この「リネン収納棚の前の女たち」もそんな1枚。
右奥に向かいに建つカナルハウスが見えます。昨日見たのと同じだ~♪と思わず絵の前で喜ぶ私。
部屋の中に窓があるんだ、とか、高級住宅なのに階段結構狭い・・・とか色々面白い。
入口付近に立っているのは女の子の恰好をした男の子。
この時代、男の子は8歳くらいまでスカートを穿いていたらしい。

デ・ホーホは10年くらいデルフトに住んでいて、その時期はフェルメールが画家として活躍していた時代と重なります。
どこかで出会って刺激し合っていたのではないかと想像します。
二人とも室内画が得意だし・・・
彼は最後、精神病院で一生を終えたのだそうです。
あまり幸せでは無かったのかな・・・

彼の室内画はフェルメールより多弁ですが、当時の風俗を良く伝えているので1階のコーナーにも絵が飾られていました。


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そしてアムステルダム国立博物館と言えば、フェルメール!
「牛乳を注ぐ女」(1660頃)、「デルフトの小路」(1958頃)、「手紙を読む青衣の女」(1662-63頃)、そして「恋文」(1669-70頃)の4点が収蔵されています。
私が行った時は、「恋文」以外の3点が展示されていました。
そう、Blue Lady、もう一度会えたんです~♪
それもかぶりつきでゆっくりじっくり見れると言う、この贅沢さ・・・

こんな風に3枚並んでいます。
さすが人気のフェルメール。このコーナーの前は人でいっぱい・・・と思いきや、団体が去ったとは誰もいない~。
日本では考えられない光景です。
しかもね、「撮影禁止」って聞いてたからカメラをクロークに預けちゃったのだけど、みんなバシャバシャ撮ってるのですよ。
フェルメールの絵と記念撮影とかしちゃったりして。
↑撮影会っぷりが分かりますよね。
博物館の人も何も言わないし・・・どうやらフラッシュを使わなければOKっぽい。


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この「牛乳を注ぐ女」、小学校か中学校の美術の教科書に載っていて、フェルメールという作者の名前より先に覚えた絵でした。
ポットに牛乳を注ぐ、という何の変哲も無いしぐさを描いている絵。
ただそれだけの絵なのに、強烈に惹きつけられます。
彼女がいる静かな空間には、きっと牛乳が注がれる音だけが響いているんだろうな。
絵の前に立つと、その音がまるで聴こえてくるかのようです。
誰もいないことをいいことに、絵の前でボーっとしばらくたたずんでしまいました。
私にとってフェルメールと言えばこの絵。
彼の作品30数点のうち、一番ち密に描かれているのはこれなんじゃないかと思っています。


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主に室内を描いたフェルメールにしては珍しい、というか2点しかない風景画のうちの1つ、「デルフトの小路」。
小さな絵ですが、屋外でも静謐さがあるフェルメールの絵。
レンガの壁の質感とか、左手の家の壁に絡まる蔦とか、とにかくディテールが細かい。
かと思いきや、人物などは意外にサササっと描かれている。なんとも不思議な絵です。
これを見たら、「デルフト眺望」も見たくなりました。
あの絵はもっと大きいんだよなぁ。


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そして最後にレンブラントの大作「夜警」(1642)が待ってます。
ボケボケですが、こんな感じ。

この絵、注文主からは不評だったとかで、これ以降彼の注文が減ったとか。
こんなにひとりひとりを個性豊かに描きあげていてもダメなのね。
集団肖像画である以上、ひとりひとりが平等に描かれていなければ不満になるのも分かりますが・・・
じゃあ、もともとレンブラントには頼んじゃだめじゃない?なんて思ったりして。
歴史画だろうがなんだろうが、描かれている人の感情や性格が伝わってくるような人物描写をするレンブラント。
他の画家が描くような、のっぺりと均質的な集団肖像画なんて描くわけないのに・・・

中央左奥に輝くように配された、この市警団のマスコットガールの女の子。
女の子にしてはちょっとおばさんっぽい顔では・・・と常々思っていたら、モデルはどうやらレンブラントの愛妻サスキアだったらしい。
それなら納得です。この絵を作成している時にサスキアは体調を崩し、亡くなってしまうのです。

それほどレンブラント好きではない、どころかどちらかと言えば苦手だった私ですが、最近彼の絵を見る機会が多く、以前ほど苦手では無くなりました。
自画像を何枚も眺めていると、段々と愛嬌がある顔だなぁ・・・なんて思えてきたりして。
いつか、エルミタージュにある「ダナエ」と「春の女神フローラに扮したサスキア」が見たい!と思っています。


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そして、国立博物館で特に印象に残った1枚がこれ。
アールト・ファン・デル・ネールという画家の「River View by Moonlight」(1645)。
月夜好きですから~♪
この人も17世紀の画家で、月夜や雪が降っている風景等を描いた人らしいです。
エルミタージュが結構持っているらしい・・・うぅ、やっぱり行きたい、エルミタージュ!

それと、絵ハガキが無かったのでアップできませんが、気になった絵がもうひとつ。
ヘリック・ハウクヘーストという画家の「デルフト旧教会の内部」(1654)という絵。
彼の建築画、どこかでも見たことがあるんですよね・・・どこだっけ。
もしかしたら、ヘンドリック・ファン・ステーンウェイクとごっちゃになっているのかもしれませんが・・・
とにかく大きな建築物の絵が好きなので、心に残りました。備忘録として残しておきます。


*右上のプロフィール画像のキューピッドも国立博物館のもの。
 誰の作品かメモし忘れましたが、フラゴナールの「ぶらんこ」のキューピッドだわ!と思い撮影しました。
 きっと当時の貴族の庭園のあちこちに、こんなキューピッドがいたのでしょうね。
by ruki_fevrier | 2012-07-14 23:48 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by masoraly at 2012-07-18 17:39
rukiさん、こんにちは~。また数日、パソコンから離れてました。
おぉー国立博物館だー!一枚目のモニュメント、よく目にしますー。
フェルメールの作品のバックは、巨大な唐草模様の壁紙なんですねー。びっくり。
あー両側の2作品は観てるけど、真ん中だけは門外不出でしょうか。
そうそう、美術の教科書に載ってたんだよね。私も、よく眺めてました。
「夜景」も観たかった。世界3大構図がすばらしい作品のひとつだそうです。
後の2作品は、スペインにあって、予期せず観ることができました。
Commented by ruki_fevrier at 2012-07-18 21:37
masoralyさん

こんばんは~。
そうそう、このモニュメント、結構有名ですよね。
フェルメール、というより、この南ウィングの壁が全部この柄だったと思います。
多分、博物館所蔵の何かのモチーフから取ってると思うのですが・・・
「牛乳を注ぐ女」、多分日本にも来たことがあると思います。
あのターバンの少女が来日するくらいですから、多分門外不出ということはないと思いますよ。
「夜警」、世界3大名画のひとつ、って言われてますよね。
スペインの2作品は、まだ見たこと無いです~
いつか見れるといいなぁ。特にベラスケスは見たいですね。


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