上野の桜と円空展@東京国立博物館
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3月下旬のとある日、人間ドックを受けたあと、そのまま半休をとって上野へ。
土日だと混むであろうラファエロ展を見ようという目論見でした。
しかし平日でもチケット売り場は長蛇の列。
それなら先に円空展に行こう、とトーハクに向かいました。

向かう途中に見た、上野の桜。
上野公園は、ちょうど桜が満開~
人ごみが大嫌いなので、上野の桜を見に行こうなんて思ったことがないけれど、
「やっぱ花見は上野に限る!」と思わず思ってしまった。
そのくらい、見事でございました。
なんでカメラを持ってこなかったんだろう~~~と後悔しつつ、携帯で撮る。(しかもまだガラケー)


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この日がまた穏やかな晴天で、絶好の花見日和だったのですよね。
もちろん、どの樹の下にも大勢の人人人。


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ちょうど「博物館でお花見を」という桜イベントも開催中で、本館裏の庭園が開放されておりました。
平成館の窓に映った桜。
見事な大島桜でした。







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トーハクの展示も桜にちなんだものが多く、桜の鍋島や吉野山を描いた屏風、狩野長信の国宝「花下遊楽図屏風(かかゆうらくずびょうぶ)」などが展示されていました。

私の一番は、この絵。
飯島光峨という人の「花下躍鯉(かかやくり)」。
月光の夜、鯉も花見がしたくて水面より躍り出る。
なんて可愛い鯉!!

飯島光峨は江戸後期から明治にかけての日本画家だそうです。
花鳥画が得意だったそうなので、機会があったら他の作品も見てみたいです。


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桜と新しくなった東洋館を堪能した後、円空展へ。

17世紀後半に諸国を巡り、各地で仏像を彫った円空。
手数をかけず、表面には何も塗らず、木目や節を生かしたそれらの仏像は、円空仏と言われるそうです。
素朴な円空仏は、子供たちのおもちゃになったものもあったとか。
また、病気になると近所の人が仏像を借りに来て、病が治るよう家に奉ったとか。
とても身近で親しみやすい仏像だったようです。

このパンフに載っている両面宿儺坐像(りょうめんすくなざぞう)は、2つの顔を持つ異形の怪物として日本書紀に出てくるそうですが、正面の顔はとても穏やかでとても怪物には見えません。
日本書紀には怪物と書かれていますが、現在は大和朝廷に従わなかった飛騨の豪族を表していると考えられているそうで、円空は怪物としてではなく飛騨を守る神として彫ったようです。
この日本書紀には怪物と書かれていても、実際はそうじゃない、って話。
あるよねー、書いた側に都合のいいように捻じ曲げられる事実。それを掘り出すのが歴史を学んでいて面白いところ。

円空の傑作のひとつと言われているだけあって、言いようのないパワーを感じるお像でした。
樹木そのもののパワーと、彫り出した円空のパワー、そして両面宿儺信仰が持つパワー。
それらがこのお像から発せられていたように感じます。


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私のお気に入りはこの弁財天立像。
穏やかで愛嬌のあるお顔が好きです。
円空の仏さんは、ご本人の顔に似てるのですよね~
素朴な仏像の数々にしばし癒されました。


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そうそう、リニューアルした東洋館にミュージアムシアターというのがあって、「アンコール遺跡バイヨン寺院 尊顔の記憶」というバーチャルツアーがやっていたので観てきました。

12世紀後半に造られたバイヨン寺院。
ジャヤバルマン7世が建てた仏教寺院で、仏の顔が彫られた49の石塔が並びます。
その寺院を上から、中から、現地では見れないところまで見れるバーチャルツアー。
アンコールワットも素晴らしいのですが、このバイヨンが何より見たくてカンボジアに行った私なので、ものすごーく楽しいバーチャル体験でした。
東洋館、時間が無くて全部見きれなかったので、次こそ全部見るぞー。

by ruki_fevrier | 2013-04-07 20:46 | | Trackback(1) | Comments(0)
Tracked from dezire_photo.. at 2013-04-14 13:08
タイトル : ラファエロ美術の変遷とラファエロの魅力
ラファエロ Raffaello Sanzio da Urbino  東京西洋美術館でラファエロの美術展が開催されています。ラファエロはルネサンスを代表する誰でも名前を知っているほど有名な画家ですが、作品が少なくその多くが門外不出のため、まだラファエロの代表作品はわずかしか日本に来ておらず、今回日本で初めての大規模なラファエロ展です。 Raffaello Santi (1483 - 1520) was born as the son of Giovanni Santi Duke of Ur...... more


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