NY旅日記:The Cloisters その2
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ランゴンの礼拝堂を出て、ロマネスク様式のホールを左に入ると、「サン・ギエム・ル・デゼールの回廊」。
この回廊は、フランスのサン・ギエム・ル・デゼールの修道院に由来する柱を用いて構成されています。
美しい柱頭彫刻を引き立てるように全体がシンプルに形作られていて、天窓から入る光が白い石に反射してとても明るい。
人がいないと、光に満ちた回廊がとても荘厳な雰囲気になります。
クロイスターズの中で一番好きな場所。


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柱頭のモチーフはアカンサスやヤシ等の古典的なモチーフが使われていて、まるでギリシャやローマの柱頭を見ているよう。
植物がモチーフだと無条件に惹かれてしまうわー。

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回廊の周囲には、ヨーロッパ各地から集められた柱頭彫刻が展示されています。
これは12世紀のアキテーヌのもの。
上二人の髪の毛を引っ張っているおじさん・・・
そしておじさんの髪もお髭も上下の二人に引っ張られているという引っ張り合いっこの像。



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これは、、、怪獣?
牙をむいているけど、たれ目だから怖くない。なんともユーモラスな顔。


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こんな可愛い装飾がたくさんあるので、見ててほんとに楽しい。
左は顔を引っ張りっこ。右はまるで女性のお化けみたい~でもきっと違うと思うけど。
真ん中はまるで雑技団みたいな感じ。
真ん中のものだけ、フランスのサヴィニーという村のベネディクト会修道院から移されたものだそうです。







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さらに奥に行くと「フェンティドゥエニャの礼拝堂」。
十字架にかかるキリストの後ろに見える12世紀の祭壇後陣がスペインのフェンティドゥエニャにある教会から移されたもの。
半円形に描かれたフレスコ画はトレドの教会に由来する聖母子と東方三博士。
十字架のキリストはスペインのパレンシアにある教会由来のものだそうです。

ここはすごく大きくて、コンサート会場としても利用されているとのこと。
どんな風に音が響くのか、ちょっと聴いてみたいなぁ。


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そして、クロイスターズの中心である「クサの回廊」。
今まで見てきた部屋やホールは、この回廊を中心にして配されています。


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この回廊の柱は、ピレネー山脈のサン・ミシェル・ド・クサの修道院に由来するもの。
ピンクの石材は、山間部から修道院建設のために切り出されたものらしい。
独特のマーブル模様が美しい。


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そしてこの柱にも、不思議な彫刻が・・・
これは、獅子、かな?


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これに至っては、全然わからない。
人みたいに見えるけど、でもちょっと変。
私の中では宇宙人と認定。


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顔だけがあったり、獅子の足の下に顔があったり。
猿みたいなのも見えたり。
これを彫った人は、ものすごく想像力が豊かな人だったのであろう、と思わずにはいられない。
とにかく、どの柱も面白くて全然見飽きない。


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中庭は十字に交差する小路が作られ、真ん中にはサン・ジェニ・デ・フォンテーヌ修道院から移された噴水が置かれている。
植えられている植物は、中世の修道院で育てられていたものだとか。

奥左の三人組、ずーっと仲良くおしゃべりしてました。
えー、全然見なくていいの?とも思ったけれど、クロイスターズはミッドタウンから離れているため来訪者もそれほど多くなくのどかな雰囲気なので、確かにのんびりおしゃべりするにはぴったりの場所かも。


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ひとつ下の階には、「ボンフォンヌの回廊」と「トリーの回廊」がある。
「ボンフォンヌの回廊」の中庭には、中世に栽培されていた250種類の以上の植物が植えられている薬草園で、修道院の庭という趣。


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でも、行った時はあまり植物が成長していないくて、少し寂しい感じ。
↑これは2006年の7月に訪れた時の画像。
植えられたハーブや果樹が鬱蒼と生い茂る中庭でした。
中世の修道院の薬草園はこんな感じだったんだなぁ。


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これはメインホールに続く扉の上の装飾。
フランスのナルボンヌから移されたものだそうで、7つのブロックに8つの実在と架空の生き物が彫られている。
一番下は、男の顔に獅子の胴、サソリの尻尾を持つペルシャの怪物。
その上はキリストのシンボルとしてのペリカン。
他にバシリスクやハーピーなども彫られていて、とても美しいアーチ。


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クロイスターズは、ヨーロッパ各地から運ばれた中世の修道院や教会の一部分を用いて中世建築の見本帳のような美術館を構成しています。
それらが、全く違和感なく、まるで最初からそこに存在しているように見せているのはすごいです。
時代考証に基づき、とても丁寧に作られたからなのでしょう。

フランスからのものが多いのは、宗教戦争が激しく、カトリックの修道院や教会が多数壊されたり閉鎖されたりしたことが要因だと思います。
明治の廃仏毀釈で多くの仏像が打ち捨てられ、それらが欧米に渡ったことと重なります。
図録には、美術館が購入する20世紀初頭まで半壊したまま野ざらしにされた状態の回廊の写真が載っているのですが、それはそれは酷い状態です。
それらを丁寧解体し、運び、そして再構築。アメリカってすごい、ロックフェラーってすごい、と感嘆しまくりでした。

見るものが多すぎて、閉館まで2時間半近くあったのだけれど、時間が全然足りなかった。
うーん、そんなに広くないから十分かと思ったのだけどな。
建物のそこかしこに可愛い彫刻や美しい装飾があるので、気づいたらあっという間に時間が経ってました。
次は1日かけて、くらいの気持ちで行った方がいいかも。

しばし、中世に浸った土曜の午後でした。
そしてこの後は、土曜日なので夜9時まで開館のメトロポリタン美術館へ。

つづく。
by ruki_fevrier | 2013-07-28 01:01 | | Trackback | Comments(0)
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