NY旅日記:The Metropolitan Museum of Art
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クロイスターズからメトロポリタン美術館へは、バスで行くことにしました。
地下鉄で行くと、セントラルパークの西側をいったん南まで下り、乗り換えて東側を北上する、というルートになり、セントラルパークをぐるりと回る感じなるのです。
前回は、セントラルパークを西から東に突っ切って行く方法を取り、見事途中で迷子になった私。
で、今回はおとなしくバスで東側を南下する方法を取りました。でも各駅停車ののんびりルートなので、30分以上はかかります。

というわけで、MET本館に着いたのは午後6時過ぎ。
土曜日だったので夜9時まで開館。
3時間一本勝負!と意気込んで行きましたが、全然甘かった、、、
まぁ、ひとつのセクションで企画展1回と考えたら、企画展10数回くらいを回る規模ですからね。
トホホ。←本当に詰めが甘い。


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ふうちゃんとは9時にロビー集合ということで入り口で別行動に。
日本語のオーディオガイドを借り、ルートとは逆回りでギリシャ・ローマ美術セクションから入りました。

前回あまり見れなかったアフリカ美術が結構楽しくて、つい熱心に見てしまった。
これ、ナイジェリアのベニン王国の彫像「Head of an Oba」。
なんとなーく、奈良さんちっくで面白いなーとパチリ。
Obaって何でしょうね。少女、という意味かしら。


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とあるホールでは、見上げるとパプアニューギニアの天井画の板が埋め尽くすように展示されていました。
当然ハンドメイドだから、ひとつとして同じものの無い板絵。
でも全体としてはなぜか調和が取れているから不思議。

なんて、ガイド聴いてパシャパシャ撮影してたら最初3セクションくらいであっという間に1時間が過ぎてました。
やばいっ。まだ全然見れてない!
ということで、目的のひとつ、ロバート・リーマン・コレクションへ走る。



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しかし途中、大好きな中世美術コーナーに寄っちゃったりして。

これはスペインのヴァリャドリッド大聖堂から運ばれた、鉄製のスクリーン「Choir screen from the Cathedral of Valladolid」。
繊細な細工が美しい、しかもでかいスクリーンで圧倒されます。

これが置かれているホール周辺に、ヨーロッパ中世美術が展示されていて、とても楽しい。


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これは中世イタリアの柱頭「Capital with Angels Holding the Veil of Saint Veronica, with a Column」
キリストの顔が浮かび上がる聖ベロニカのベールを捧げ持つ天使、らしい。
けど、天使!?って顔。
中世の彫刻は思わず笑ってしまうものが多い。


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なんて、笑ってる場合じゃない!先を急がないと。
やっと1階の一番奥にあるRobert Lehman Collectionへたどり着く。
あの経営破綻したリーマン・グループ三代目当主だったロバート・リーマンのコレクションです。

ここでどうしても見たかった絵のひとつは、これ。アングルのブロイ公爵夫人「Princess de Broglie」。
さすが新古典主義の巨匠アングル。きゃーきゃー!
公爵夫人の気品ある顔立ち、サテンの光沢と質感、繊細なレース、、、
どれもこれも美しい~~~!!あぁ、もううっとり。

もうひとつは、ボッティチェリの受胎告知「The Annunciation」。
これはガラスケースに入った小さな絵。
大天使ガブリエルと向かい合い、跪くマリア。
ガブリエルの持つユリが房咲きで素敵なのです。
ボッティチェリの繊細さが際立つ絵。サヴォナローラに傾倒してからは絵が暗くなっちゃったけど。


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このコレクションは、ロバート・リーマンの居室のように設えられていて、中にはこんな部屋が。
レンブラントの肖像画の両脇にエル・グレコの絵。なんて贅沢。


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コレクションを出たら、北側のアメリカン・ウィングやエジプト美術などはすっ飛ばし、二階へ。
次の目的はフェルメール。ということで、ヨーロッパ絵画セクションへ。

でもその前に、写真セクションへ寄り道。といっても写真が目的ではありません。
この眺めを見るため。
METの中で、私が一番好きなスポット。
一階の彫刻ギャラリーを覗く窓があるのです。


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このギャラリーの右は創建当時の建物、左側が増築された建物になります。
ガラス張りの天窓から入る光で明るい~。とても開放的な空間です。


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でも、そんな中、苦悩するウゴリーノの像「Ugolino and His Sons」(カルポー)があったりして。

ウゴリーノ・デッラ・ゲラルデスカは13世紀イタリアに実在した人。
反逆罪で息子や孫たちと共に塔に幽閉され、飢えて亡くなったのだそうです。
息子や孫の肉を食べたという伝説があり、こんな彫刻が生まれたのです。
先に死んだら自分たちを食べて生き延びてくれ、と訴える息子たち。悩むウゴリーノ。
ホントに食べちゃったのかな・・・


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窓を見たら、すぐに引き返してヨーロッパ絵画のセクションへ。
ここで、ヨーロッパ絵画セクションの案内図をもらいます。
これが無いと、どこに誰の絵があるのが、全然わからないのです。
しかも絶えず展示の変更がされている。
オーディオガイドの案内図では工事中となっている場所も、セクション案内図ではちゃんと番号と画家の名前が入ったりしています。
案内図を見るとフェルメールは一番奥の部屋。しかしその間には数々の誘惑が・・・

それは素通りできないルネサンス絵画やバロック絵画。
↑は、左からピエロ・ディ・コジモ「洗礼者ヨハネ (The Young Saint John the Baptist)」、グイド・レーニ「無原罪の御宿り (The Immaculate Conception)」、バルトロメオ・モンテーニャ「聖ジュスティーナ (Saint Justina of Padua)」。
他にも愛してやまないフィリッポ・リッピやブロンツィーノ、ヴェネツィア絵画、ヴァン・ダイクのカッコイイ自画像などが並ぶ部屋がいくつも続きます。

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そうしてやっとたどり着いたフェルメールの部屋。
ここにMETが所蔵する5枚すべてがありました。

左から、「眠る女」、一つ飛ばして、「窓辺で水差しを持つ女」、「少女」、「窓辺でリュートを弾く女」。

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今回、一番見たかった絵は「信仰の寓意」。
前回来た時、これは別の部屋にあり、たどり着けなかったのです。

アレゴリーがふんだんに込められたこの絵。
胸に手をあて地球儀を踏みつける女性は、「信仰」の擬人化したものらしい。


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足元には、キリストを象徴する石に潰された蛇、そして原罪を象徴するリンゴ。
ちょっと不気味な絵。でも好き。

光にあふれた静謐な日常を切り取った絵も好きだけれど、こういう謎めいた絵の方がもっといい。
フェルメールが未来に向けて残した挑戦状のように感じます。


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この部屋の前後にはオランダ絵画が展示されていて、私の好きなデ・ホーホもありました。
左から、エマニュエル・デ・ウィッテ「教会内部 デルフト(Interior of the Oude Kerk, Delft)」、レンブラント「バテシバの水浴(The Toilet of Bathsheba)」、デ・ホーホ「Interior with Young Couple」。

レンブラントのバテシバ、ルーブルのものよりこちらの方が若くて愛らしい。(笑)
左斜め上からの光に照らし出される、バテシバの白くて輝くような身体。
まぁ、ダヴィデでなくてもくらくらしますわね。うんうん。


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他にも、クエンティン・マセイスやメムリンク、クラナハの「サロメ」もあった。
いい絵、いっぱいあるなぁ、さすがMET。

そんな絵を眺めながら、フェルメールのある1250-1800セクションから、19th-and 20th-Centuryセクションへ移動。

ここも超有名どころの絵がずらり。
ゴッホの花の絵が2枚ありました。ひとつは「Bouquet of Flowers in a Vase」。
今まで見てきたゴッホの花の絵は、アイリス、ヒマワリ、薔薇、とそれ一種類だけが描かれていたのたけど、
これはブリューゲルの静物画のように様々な夏の花がひとつの花瓶に生けられている。
北方ルネサンスの静物画のゴッホバージョンといった感じでちょっと珍しい。


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もうひとつはこの白い薔薇「Roses」。
背景のペパーミントグリーンが白い花を引き立てています。
以前、ワシントン・ナショナル・ギャラリー展で見た白薔薇の縦長バージョンという感じ。
この色の組み合わせ、大好き。


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この絵、METにあったんだ!という絵もあちこちに。
カバネルの「ヴィーナスの誕生(The Birth of Venus)」もそのひとつ。
この超有名な絵、METが持ってたのかー!とびっくりしたら、オルセーにもあった。
そうだよね。
オルセーのものより少し小ぶりだそうです。それでも横幅2メートル近くありますが。


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大好きなモローの「オイディプスとスフィンクス」。
おぉー、モローだ!とかぶりつく。
しかし、もうこの辺で体力の限界が来てました。
歩き疲れと名画の見すぎで、もう何を見ても頭に入らない。心に響かない・・・

ちょうど時間切れでもあったので、潔く出口に向かいました。
閉館30分前くらいから、奥の部屋から順次閉鎖され、出口に促されるようになります。
確かに、一番奥の部屋からただ歩いて出るだけでも10分以上かかるでしょうからね。


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ミュージアムショップはろくに見れず。
絵葉書とヨーロッパ絵画の本を買うだけで精一杯でした。

あーーー、またしても消化不良!!!
東洋美術なんて、セクションにすらたどり着けなかった!嗚呼。orz

そもそも、クロイスターズと一緒に行くというのが無謀と言えば無謀なのですが、同じ日に行くと入館料がタダなんです。
それでつい・・・次はMET+クロイスターズに2日は用意した方がいいかも。


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外に出ると、さすがに暗くなってました。
でも夜9時でこんな感じ。
まだまだ遊べるー、という感じです。(笑)

お昼にサンドイッチを食べただけだったので、さすがに空腹。
アッパーイーストでご飯を食べて帰ることにしました。


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雰囲気のいい高級住宅街をてくてく歩く。
こんなところに住めたら楽しいでしょうね~
MET、すぐ近くだし。


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行ったお店は、「Antonucci」というレストラン。
ふうちゃんによるとマドンナもご贔屓の店らしい。
確かに、店の奥の壁にマドンナがこの店にいる写真がどとーんと貼られていました。

前菜一品にほうれん草のラザニア、イタリアンソーセージのグリルを注文。
ミートソースのラザニアもあり、それを注文している人が結構いました。
でも!絶対このほうれん草のラザニアの方が美味しいと思う!!見た目はアレですが、すごく美味しかったです。
ソーセージはレンズ豆が添えられていて、スパイシーでこれも美味しかった!
店内は満席で、ご近所さんが楽しく集っている、という感じでした。若い人も結構いたなぁ。
外のテラス席でてんこ盛りのフライド・ポテトを食べてる人もいたし。

デザートまで食べ、店を出たら11時過ぎ。
なんだかんだでブルックリンに帰り着いたらもう真夜中。
こうしてNY初日は、お買い物と美術館で終わったのでした。

つづく。
by ruki_fevrier | 2013-08-05 15:36 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by みゅえり at 2013-08-06 00:53 x
こんばんは。
確かにちょっと大味な植栽ですね。^^;
フィレンツェのピッティ宮や、ミケランジェロ広場の周りにはたくさん庭園があって、
バラ園もあると以前雑誌で見て気になってはいるんです。
10月の上旬だと涼しい気候のフィレンツェは早いのかな~?
2日半しかないので、クーポラや鐘楼に登り、パラティーナ美術館にウフィッツィに行き、
料理教室に行き、教会に市場にお土産買いに・・・・
となったらたぶんゆっくり庭園なんて見てられないんだろうなぁ・・・
いつかいけるなら5月末とかに行きたいです。本場で咲くボローニャとかあったらいいのに・・・
でも昔見た写真はHT全盛!って感じでしたけどね。
イタリアの宮殿庭園って結構ピシッとシンメトリーになってる印象があるので
割とお堅い印象はあるかもしれませんね。でも一度は訪れてみたいものです。
Commented by ruki_fevrier at 2013-08-06 23:59
みゅえりさん

こんばんは~
でしょでしょ。ちょっと大味よね?(笑)
ピッティの庭、すごそうですよね~
前回行った時は、パラティーナ美術館しか見なかったから、全然わからないのだけど。
まぁ、真冬だったし。やっぱりお庭は季節のいい時期にいかないとね。

えっ!!!2日半しかないの?
後はローマとか?
まぁ、でもコンパクトな街だから、宿を街中に取ればクーポラや鐘楼。美術館は1日でOKじゃない?
本場で咲くボローニャ、見てみたい!!!
イタリア庭園、どうだろう?整形庭園って言ったらおフランスじゃない?
イタリアはもっとゆるい気がする。
まぁ、そういう意味では↑正しいのかも。(笑)


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