キリスト教美術をたのしむ17 旧約編「旧約聖書の女性たち」
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8月の最後の金曜日、定時を少し早めに上がり、金沢百枝先生の「キリスト教美術をたのしむ」
という講座を受けに行きました。
場所は池袋の自由学園明日館。
フランク・ロイド・ライトの設計です。
一度見たいと思っていた建築物なので嬉しい。



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この講座、既に17回目。
気になりつつも参加できずにいましたが、この日が旧約編最後の回と知って、
直前に予約して参加しました。

旧約編の〆であるこの日は、聖書に出てくる女性たちをピックアップ。

ルツ
ユディト
エステル
スザンナ
の4人。

それぞれ、
ルツ記
ユディト記
エステル記
ダニエル記
に書かれています。

ただし、プロテスタントではユディトとスザンナは正典とは認められていないらしい。








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ルツ(Ruth)はモアブ人ですがイスラエル人に嫁ぎ、寡婦になった後、姑のナオミと一緒に
イスラエルに行き、そこでナオミの親戚のボアズという裕福な男と結婚し、ダビデの祖父オベドを産みます。
オベドの息子がエッサイ、その息子がダビデ。
なので、ダビデからキリストに連なる系図のもとであるルツ。かなり重要人物。
そのルツはボアズに夜這いをかけるのですが、それはなんと姑ナオミの指示なんですよね~
ちょっとびっくり。
しかもルツはユダヤ人じゃない。それにもびっくり。

先生が見せてくださった沢山の図像の中で一番のお気に入りは↑この絵。
Thomas Matthews Rookeという人が描いたもので、テートに収蔵されているらしい。
右から左に物語が描かれていて、
右:ナオミとルツ
真ん中:ボアズとルツ
左:オベドを抱くナオミとルツ
画風からしてラファエロ前派っぽいなぁと思っていたら、やっぱり関係があるらしい。
モリス商会で働いたり、バーン=ジョーンズのアシスタントをしていたようです。
今度ロンドン行ったら絶対見たい!



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ユディト(Judith)は、「ユダヤ女」という意味だそうで、実在したわけではないようです。
アッシリア軍に包囲されたベトリアという街の寡婦だったユディトは、
街を救うために一計を企て、武将ホロフェルネスのもとへ赴き、
彼が泥酔して寝ている間に首を落として凱旋するというお話。
敵将の首を切る、というので女版ダビデと言われているらしい。

サロメとの違いは侍女がいることと首を入れる袋が描かれることだそう。
サロメはお盆が目印。

ユディトと聞いてすぐに思い出すのはクリヴェッリの絵。
でも切り口鮮やか過ぎてちょっとアップしたくない。
ボッティチェリが描くユディトは妖艶な寡婦というよりあどけない少女のよう。
対になっている絵は、首が無いホロフェルネスの遺体でかなりグロい。
ユディトの図像もたくさん見せていただいたけど、スプラッタな感じのも多し。
沢山描かれているので、とても人気のテーマなのだなぁ。



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エステル(Ester)はペルシャの王妃。
ペルシャの宰相ハマンが企てたユダヤ人を撲殺しその財産を没収するという法令を知り、
寵愛を武器に王に法令を撤回させ、民族の危機を回避した賢女。

エステルの絵でとても印象に残っているのは、ミレイが描いたこの絵。
数年前のミレイ展で来日していました。
とても大きな絵で、鮮やかなブルーを背景に黄色の衣装が映えて強烈な印象でした。
エステル、といえば私の中ではこの絵。


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スザンナ(Susanna)はバビロンに住む女性で、裕福なヨアキムという人の妻。
美人で有名で、沐浴をのぞき見していた長老二人に迫られたがそれを拒否。
怒った長老たちに嘘の告発をされ、死刑を宣告されます。
しかし彼女が神に祈ると少年ダニエルが現れ、無実が証明されるというもの。
当然ですが、老人二人は死刑です。

バテシバの水浴との違いは、沐浴を覗き見たり迫ったりしている老人二人いるとか、
古い絵になるとニンブスがある、等。

バテシバ同様、裸体を描くのに格好のテーマなので、スザンナの絵はたくさんあります。
今まで見た中で印象に残っているのは、ベルギーで見たヤン・マセイスの絵。
クエンティンの息子の絵で、結構大きかった。
輝くようなスザンナの裸体は美しく、対照的に老人の好色な顔が醜くて笑ってしまった。

金沢先生曰く、
ルツ=イディル田園風恋愛
ユディト=女傑伝
エステル=国家的な賢女
スザンナ=信仰の証
だそう。
ちなみに先生は、ユディトが一番好きだそうです。
確かにユディトはカッコイイ!

先生が沢山の図像を見せてくださって、本当に楽しい講座でした。
断片的だった旧約聖書の世界が少しは繋がってきた感じがするし…
旧約を勉強したら、絵を見た時に理解出来ることが増えるのだろうなぁとしみじみ思いました。
がしかし、、、うちには旧約聖書が無いのでした(笑)
新約は数冊あるのだけど。
買わなくちゃ。
あぁ、でも次からは新約…どうしよ。





by ruki_fevrier | 2016-09-10 23:58 | 日々 | Trackback | Comments(0)
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